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みんなで考えるSDGs 第23回 観光旅行とSDGs
みんなで考えるSDGs 第23回 観光旅行とSDGs
2024/04/18
- マスツーリズム-観光の大衆化-によって旅行がより身近なものに
- 突然ですが、みなさんは最近旅行に行かれましたか?
見知らぬ地域や国に赴き、その土地の景色や歴史、食事やイベントに触れる。
それらは沢山の新鮮な驚きや楽しい体験となり良い思い出にもなるかと思います。
今回は少し肩の力を抜いて旅行の話などしてみようと思います。
昨年の10月ごろ、とあるニュースが話題になりました。
世界的に歴史と権威のあるアメリカの旅行専門誌「コンデナスト・トラベラー」が行った
読者投票でのランキングにて、“世界で最も魅力的な国ランキング”の第1位が日本だったそうです。
また、“世界で最も魅力的な大都市”にも東京が第2位でランクインしたとのことでした。
この結果はうれしいですね。近年、円安の影響で海外の人からすると日本での買い物がしやすかったり、
SNSの普及により日本の文化や風景などが海外に発信される機会が増えたりして、
コロナによる入国制限緩和後、日本を訪れる外国人の数も徐々に回復してきているようです。
“マスツーリズム”という言葉をご存じでしょうか。“大衆観光”という言葉でも使われますが、
昔は一部の富裕層や上流階級しか出来なかった「観光旅行」を一般の人々も行うようになった現象を指します。
主にその動きは1950年代のアメリカから始まり、日本には1970年の大阪万博の頃に広まりました。
第二次世界大戦後の経済発展と、団体で観光地をめぐるパッケージツアーの誕生などによる低価格化で、
観光旅行は一般市民にも手が届きやすいより身近なものとなったのです。
【寄り道コラム:江戸時代のマスツーリズム】
近代ではそういった経緯で観光旅行が広まりましたが、実は昔、日本では江戸時代にも一般庶民の観光旅行が既に存在していたというのはご存知でしょうか。
主に“お伊勢参り”に代表される信仰の旅です。
当時は厳しい社会制度(村人の離村や逃亡を防ぐため領主が気軽な移動に制限を設けたりもしていた)があったり、現代ほどは交通手段も発達していない状態でしたので、
そういった色々な規制の上での旅行でした。
ですが、当時行われていた参勤交代の制度によって街道や宿泊施設などはきちんと整備されていましたし、貨幣の流通など、旅をする上での最低限の下地は整っていました。
なので旅自体は(さすがに現代ほどではないですが)安全に楽しむことができていたようです。
初期においては、信仰の旅や巡礼が一般的でしたが、時が経つにつれて物見遊山の要素が強まり、だんだんと旧跡名所巡りなどが一般的になりました。
また、その頃には、芸妓や歌舞伎をはじめとした伝統芸能もかなり発展してきていたので、それを目当てにした旅行も多かったといいます。
最終的にはそれらやその土地ならではの文化や名物を楽しむのも主な目的の一つとなっていきました。
【SDGsとどう絡んでくるのでしょうか?】
そして21世紀の現代。
今や、「世界では11人に1人が観光分野にかかわる仕事をしている」と言われています。
それだけ観光は、沢山の雇用を産み出すことができ、日々たくさんのお金が動いている分野でもあるのですね。
というわけで今回は、観光旅行がSDGsにどのように当てはまってくるのか、
またその一環として、いま現在どんな取り組みが行われているのかなどを見ていきたいと思います。
- 観光がSDGsに何をもたらすのか
- 今更ですが、SDGsは掲げられている17の“目標”以外にも、
目標一つ一つにそれぞれ付随する計169の“ターゲット”があり構成されているというのはご存じでしょうか。
ターゲットはそれぞれの目標と紐づく形で存在し、より明確で具体的な指針として提示されています。
そのターゲットにおいて、「観光」という言葉は3つの箇所に明記されています。
1つ目は目標8「働きがいも経済成長も」にある
⇒ターゲット8.9「2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する」。
2つ目は目標12「つくる責任つかう責任」にある
⇒ターゲット12.b「雇用を創出し、地域の文化や産品を活かす持続可能な観光のための、持続可能な開発の効果を測定するツールを開発し、実践すること」。
3つめは目標14「海の豊かさを守ろう」にある
⇒ターゲット14.7「2030年までに、海洋資源の持続可能な活用によって、また、漁業、水産養殖業、観光の持続可能な管理を通じて、小島嶼途上国や最も貧しい途上国への経済的恩恵を増進する」。
まず、1つめと2つめですが、この2つは使われている単語や文面が似ていますね。
これらをまとめて言い替えるなら「地域の観光を通じて雇用を増やし、地域の文化や産品を大切にしながら、これからの持続可能な観光業のための計画を立て、その効果をしっかりと評価する手段を開発していく。それによって将来的に地域全体が良い影響を受けていくことを目指す」ということでしょうか。
そして3つめ。
これは海洋の健康を守りながら、発展途上国や最も貧しい国々にとって経済的な恩恵を増やすための取り組みを行うことで、海洋資源の適切な利用と管理が、経済的な発展と社会的な福祉の向上に寄与することが期待されるということです。
以上の、はっきり“観光”と明記されている3箇所どれもが、
観光という産業を活かし足掛かりにすることで、さらなる活性化と地域の継続的な発展を目指すものであることが分かるかと思います。
それだけ、観光というジャンルには沢山の伸びしろや可能性があると期待されているのですね。
また、観光業が繁栄または成長しいていくことで、SDGs17の目標のうちの他の目標にも良い影響が出て来る可能性があります。
たとえば、1つ目の目標「貧困をなくそう」だったら、観光の活性化によって経済の成長と発展が促進され地域が潤い貧困の撲滅達成に近づいたりなど。
そう考えると、観光ははっきりと明記されている目標8・12・14のターゲットだけでなく17の目標すべてにも関わってくるという見方もできますね。
【どのような取り組みが行われているのか】
さて、観光はSDGsに深く関連してくる、それを期待できるだけの伸びしろがある、というところまで見てきました。
それでは現在、SDGsに関連したどのような取り組みが具体的になされているのでしょうか?
たとえば旅行をする側、旅行者が取り組める一例としては下記が挙げられると思います
*電車やレンタサイクルの使用(レンタカーに比べてCO2排出量を削減できる)
*現地の伝統文化を学べるような観光を積極的に行う
*SDGsや環境保護に意欲的な宿泊施設や観光施設を利用する。
*オーバーツーリズム(観光地にその地域で受け入れることができる人数以上の観光客が押し寄せること)を防ぐ為、観光する場所や時間等に配慮する。
また、宿泊施設側でいま現在、既に行われている取り組みの一例にはこのようなものが存在します。
*ビーチの清掃活動(ホテルがビーチのゴミを預り保管後、市に引き渡す)
*食事に地元食材を使用する(地産地消)
*プラスチック製アメニティを廃止し、オーガニック由来のものへ移行
*館内照明のLED化
*余った食品を有機堆肥へ変え食品ロスを減らす
*代替食材を使用したメニューの提供
*節水シャワーヘッドの導入
*自然エネルギーの使用でCO2排出量を減らす
旅行をして観光名所に立ち寄るときに、
例えば写真を撮るためとか快適に観光したいとかの理由で、混雑を避けた時間帯でその地に赴いたりしますが、
それが結果的に地域や地元住民の方に良い影響を及ぼすこともあるのですね。ちょっと意外でした。
でも、地元住民の方などからしたら混雑が分散されることで
道路や交通機関やお店などが少しでも空いて助かったりすることもあるでしょうし、そう考えるとなるほどなと思いました。
また、宿泊施設の料理に地元食材を使うというのは、SDGs等に関係なく既にやっている施設も多いと思います。
その土地ならではの名物や特産品を味わうことができるというのは旅行者側にとっても嬉しく感じる人が多いのではないでしょうか。
観光地(宿泊施設)側からしたら地元のPRにもなるし旅行者側にとっても美味しい思い出が増える、誰も損をしない良い取り組みだと感じます。
- 最後に
- さて、旅行とSDGsの取り組みについて見てきました。
実際に取り組まれている一例を知ることで
わずかながらの工夫や心がけでも観光産業の発展に貢献、または協力することができるということが伝わっているといいなと思います。
訪れた先の文化や自然を大切にし、経済が回り、楽しい旅の思い出も作れたらこれ以上のことはないですよね。
もしよかったら、観光旅行の際は「SDGsで、地球や環境・地域や文化にやさしい旅」というのも少しだけ頭の片隅に置いておいてください。
目にははっきり見えなくとも、そういった旅行者が増えるだけでSDGsのより着実な一歩になりうると思います。
SDGsコラム担当:Ueno
みんなで考えるSDGs 続きの第24回はこちら
みんなで考えるSDGs 前回の第22回はこちら
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