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みんなで考えるSDGs 第16回 「もはや地上だけの問題ではない?蔓延るゴミの脅威」
みんなで考えるSDGs 第16回 「もはや地上だけの問題ではない?蔓延るゴミの脅威」
2022/08/08
- 【私達の生活圏範囲を超えたところにもあるゴミを知ろう】
- 突然ですが、あなたの住んでいる地域はゴミの日は何曜日ですか?
地域によって日にちや曜日や頻度は様々ですが、
決められた場所にゴミを出せば業者さんなどが回収に来てくれるものですよね。
そして、ゴミ出しの日に毎回出しているはずなのに、「今回もこんなにあるのか!」と自分の家のゴミの量に驚くことが珍しくはないという方もいるのではないでしょうか。
そう、普通に暮らしていてもどうしても出てしまうゴミ。
家庭ごみや事業ごみは定期的に回収に来てもらえるのですが、
今回はそうもいかないゴミについてちょっと見ていこうと思います。
つまり私達の生活圏範囲を超えた、地上以外にも溢れるゴミについてです。
- 【海洋ゴミ:海洋汚染と生態系への悪影響が懸念される】
- まず、最初に取り上げたいのは海のゴミ、”海洋ゴミ”です。
これはSDGs14番”海の豊かさを守ろう”にも該当してくる話題です。
近年、海洋汚染が深刻化していると言われますが、その原因は主に生活排水・工業排水・そして海洋ゴミなどが挙げられます。
実はその海洋ゴミ、ほとんどが私達の普段の生活から出ているものです。
さらにそのほとんどが、私達が普段使用しているビニール袋・ロープ・ペットボトルなどの使い捨てプラスチックのゴミだと言われています。
プラスチックは水に溶けずいつまでも海を漂い続けるので、海洋生物が誤って飲み込んでしまったり絡まってしまったりすることも珍しくありません。
「ゴーストギア」という言葉をご存知ですか?
なんだか映画やゲームになどにでも出てきそうな響きですが、訳すと「漁具の幽霊」となります。
廃棄された魚網やロープ・釣糸など、主にプラスチックで出来た漁業の道具が海を彷徨っている状態を指す言葉です。
ゴーストギアによって海洋生物が絡まって死んでしまったり、漁業や航海などに予期せぬ危険が伴ったりするなど、汚染だけでは済まない深刻な状態を招いています。
また、プラスチックのゴミは、ビニール袋やロープなどの比較的大きなものはもちろんですが、微細なプラスチック(5mm以下の小さなプラスチック片を「マイクロプラスチック」とも呼びます)であっても充分な脅威となることに変わりはありません。
マイクロプラスチックは、大きなプラスチックゴミが太陽光などによる劣化で細かく分解されてできることもあれば波や岩などで破砕されてできることもあったり、また洗顔料などに含まれるスクラブ剤にプラスチックが用いられておりそれが海に流されて発生する場合もあります。
マイクロプラスチックは、海洋環境的にも分解されず長期にわたって滞留しますが、厄介なことに海に漂う有害物質を吸着させる性質があるので、毒性を持ってしまっていることがあります。
それを魚やプランクトンなどがエサと勘違いして食べると、内臓を詰まらせたり、付着していた有害物質とともに体内に蓄積されたりして、その生物の健康や生命を脅かします。そして、その生物を食べた捕食者(もちろん人間も含む)にも悪影響を与えると考えられています。
私達のゴミによって、沢山の動物が被害を被ったり、巡り巡って私達にも危険が及ぶのですね。
それから、海洋ゴミはそれが海のどこに存在するかによって3つに分けられます。
*漂着ゴミ→海岸に打ち上げられたゴミ
*漂流ゴミ→海面や海中に漂っているゴミ
*海底ゴミ→海底に沈んで堆積しているゴミ
漂着ゴミは回収が比較的容易な場合もありますが、漂流・海底ゴミなどは回収することすら難しいのが現状です。
ちなみに、国(環境省)では、漁業者の協力を得て海底ゴミの回収にあたるなど動き出してもいるようです。
私達も出来るところから綺麗な海を保てるよう、回収が難しいのなら少しでもゴミを減らす工夫などして、協力していきたいですね。
漂着ゴミを拾ったり、海へのポイ捨てをやめるなどするのもとても大事なことと思います。
海は世界に、また未来につながっています、私達の小さな一歩の積み重ねで、より安全な海を取り戻せればと思います。
- 【宇宙ゴミ:意外と危険で散らかっている地球の周辺】
- 次の話題は、SDGsに直接該当するものはないかもしれませんが、地球を飛び出して”宇宙”の話です。
宇宙も、海や陸と同じ、よりよい暮らしや次の世代のためにも守らなければならないものですよね。
その宇宙にも人間の出したゴミがあるというのはご存知ですか?
たとえば…
*使われなくなった人工衛星
*切り離されたロケットの一部
*爆発や衝突で発生した部品や破片など、
何メートルもある巨大なものから小さく細かなものまで、その種類は様々です。
また、10センチ以上のゴミだけでも約23,000個以上もあるそうです。
しかもそれらが、ふよふよと漂うのではなく、秒速7km以上、発射される弾丸の10倍以上のスピードで地球の周りを回っているといいますから驚きです。
これがもし、スペースシャトルや作業中の宇宙飛行士に当たったらと思うと…怖いですね。
また、それらが地上に、私達の真上に落ちてくる可能性もゼロではありません。
ただ、何とかしたくとも、地球上からだと宇宙ゴミはほぼ見えませんし、回収除去を確立する技術というのもまだ無いのだそうです。
ですが、近年JAXAと民間企業が協力し、大型の宇宙ゴミ除去を世界に先駆けて行うということで計画が進んでいるとのことです。
先は長いかもしれませんが、計画が実現成功して、早くより安全な宇宙が戻ってきてほしいですね。
さて、海洋ゴミと宇宙ゴミについて見てきましたがいかがだったでしょうか。
そこに人間がいる限り、どうしても大なり小なりゴミは出てしまうものだと思います。
ですが、海洋・宇宙ゴミの回収除去がここまで難しく危険なものであるとは知らなかったのでびっくりしました。
少しでもゴミを出さない工夫・回収除去技術の確立など、課題は山積みです。
でも、国としてもこれを課題と捉えていて、回収除去に取り組み始めているということを知ることができたのは、とても良かったし心強いと思いました。
少し話が変わりますが、公園など公共の場にあったゴミ箱が、近年テロ対策のため撤去されるなどして数が減っています。
しかし、それでもほとんどの道路や公共の場がゴミだらけにならずキレイなのは、一人一人の心がけによるところも大きいのではないでしょうか。
そう考えると、ゴミを極力減らしたり出さないように一人一人が心がけるのも、決して不可能ではないと個人的には思います。
心がけや技術によって、ゴミに埋もれない明るく安全な未来を作っていきたいですね。
SDGsコラム担当:Ueno
みんなで考えるSDGs 続きの第17回はこちら
みんなで考えるSDGs 前回の第15回はこちら
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