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みんなで考えるSDGs 第15回 「脱炭素社会の実現」を目指そう
みんなで考えるSDGs 第15回 「脱炭素社会の実現」を目指そう
2022/04/12
- 脱炭素社会とは
- 【脱炭素社会の実現とSDGs・・・達成期限付きの目標】
このコラムでも既にお馴染みとなった”SDGs”。
今更かもしれませんが、このSDGsが、2016年からスタートし2030年までの達成を目指す目標であることはご存知でしたか?
国連の首脳会議で、加盟国である世界中の国々が共に協力しあい、15年間で17の目標を実現させましょうと採択されたのがこのSDGsです。
そして今回のコラムのテーマであり、時々ニュースなどで耳にする”脱炭素社会”も、同じく達成期限付きの目標として注目すべき単語です。
SDGs達成目標の7番”エネルギーをみんなにそしてクリーンに”や13番”気候変動に具体的な対策を”などにも関わってくるこの単語。
今回はこれについて少し詳しく掘り下げていければと思います。
【脱炭素社会とは】
2020年10月26日、菅義偉首相(当時)が所信表明の演説を行いました。
語られたテーマはいくつかありましたが、その中の一つが「2050年までに脱炭素社会の実現を目指す」という宣言でした。
脱炭素社会ってそもそも何でしょう。
二酸化炭素をはじめとした、メタンや一酸化二窒素などのガスのことを“温室効果ガス”といいます。
これらのガスは、地球温暖化を進めてしまう大きな原因と言われていて、世界的にも削減の動きが起こってきています。
そして脱炭素社会とは、その温室効果ガスの「排出が抑えられた社会」、もっと細かく言うと「排出量と吸収・除去量が結果的に差し引きゼロになった社会」のことを意味します。
- 二酸化炭素(温室効果ガス)が差し引きゼロである社会
- 【温室効果ガスはなぜ排出されるのか】
温室効果ガスはその大部分を”二酸化炭素”が占めます。
”二酸化炭素”は、人間をはじめとする動物の呼吸でも排出されますが、大きな原因としては”化石燃料”を燃やすことで発生します。
”化石燃料”は石油や天然ガスなどのことであり、エネルギーを生み出すために効率の良い物質です。
(”化石燃料”については第14回の記事でも取り上げています、よろしければご参照下さい)
産業革命以降、効率良くエネルギーを生みだす化石燃料は、産業の発展に大きく関わってきました。
また近代化により、社会が便利になると、化石燃料はストーブや車などの燃料としても使われるようになります。
さらには、二酸化炭素を吸収してくれていた森林。
その伐採が急速に進んでしまうことにより、結果的に吸収されなかった二酸化炭素は増え続け、濃度も上昇していくこととなりました。
これらの要因により、産業革命前に比べ二酸化炭素の濃度は約50%上昇したとも言われます。
【豆知識:森林伐採の現実について】
温暖化の原因にもなる二酸化炭素を吸収してくれる頼れる存在の森林ですが、
その森林も
*人口の爆発的な増加による、食糧増産ための農場や牧場を作る目的での開墾
*異常気象による森林火災の多発
*木材や紙などの原料として使用するため
などの理由からその数を大きく減らしています。
8000年前と比べると、原生林(人の手が全く加わっていない、自然の力で成長した森林のこと)はそのおよそ8割がその姿を消したと言われています。
また、南米アマゾンでは1時間毎にサッカー場150個分の森林が消失しているという報告もあります。
国や地域で、森林を守るための法令や決まりごとを定めたりはしても、それに背いた違法伐採も後をたたないようです。
森林も限りある資源です、これ以上深刻な事態とならないようになんとか守っていきたいですね。
【排出量と吸収・除去量が差し引きゼロになる仕組み】
温室効果ガスの「排出量と吸収・除去量を差し引きゼロにすること」を”カーボンニュートラル”といいます。
排出が”増える(プラス)”だとすると、吸収・除去は”減る(マイナス)”です。
化石燃料をいきなり使用禁止にするわけにもいかなければ、仮に化石燃料を使わないようにして生活を送ったとしてもやっぱり二酸化炭素は発生してしまう。
つまりいきなり二酸化炭素のない世界を作ろうとしても土台無理なわけです。
なので温室効果ガス(二酸化炭素)は出ているけど、その分は吸収・除去によって減らしてもいるよね、相殺されて実質プラマイ0(ゼロ)だよね、というのがカーボンニュートラルです。
さて、排出については今見てきたとおりですが、吸収・除去はどういう方法で行われるのでしょうか。
*吸収→森林が二酸化炭素を吸収する。植林を行うなどして森林の吸収量を増やす。
*除去→CCSなどの環境技術を用いる。CCSとは、気体から二酸化炭素を分離させ、安定した地下深くに堆積・封じ込める技術。
調べたところ、このような方法があるようです。
もちろん、吸収・除去できる量にも限りがありますので、温室効果ガスの排出自体を減らすようできる限り努力するのが大事だとは思います。
でも、こういった方法でも減らすことができるんですね。
私も、学校で「木(森林)が二酸化炭素を吸収して酸素を発生させながら成長する」というのは習いましたが、二酸化炭素を除去できる技術があることまでは知らなかったのでびっくりしました。
日本初のCCSとして、北海道苫小牧市沿岸にプラント(生産設備)を建設開始したのが2012年だそうなので、比較的最近動き出した技術といえるのかもしれません。
ぜひ、脱炭素社会の実現に向けておおいに役立つ技術となるといいですね。
- 最後に
- 今回は脱炭素社会に関わる事柄について触れてきました。
このコラムの最初にも話題にあがりましたが、SDGsの達成期限が2030年。脱炭素社会は2050年までの目標となっています。
今は2022年。コロナ禍や戦争などで窮状や格差が深刻化していると言われますが、果たして達成はできるのでしょうか。
ちなみに、直近のSDGs進捗状況は下記リンク先で見ることができます。
〈SDGs報告2021〉※国際連合広報センターのサイトにとびます
個人的な意見ですが、仮に目標を達成しなくとも努力して出来る限りのことをやる、というのが大事だと思います。
でも、世界の人口は今現在も増え続けていますし、温暖化や異常気象など地球からの明らかな危険信号がもう既にでています。
少しでも達成に近づけるようにすること、また期限付きの目標がなくともこういった努力をそのまま続けていくこと、一人ひとりが緊急の課題としてきちんと認識することなどが重要になってくるのではないでしょうか。
SDGsコラム担当:Ueno
みんなで考えるSDGs 続きの第16回はこちら
みんなで考えるSDGs 前回の第14回はこちら
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