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みんなで考えるSDGs 第12回 ジェンダー平等
みんなで考えるSDGs 第12回 ジェンダー平等
2021/11/30
- ジェンダー平等って?
- SDGsの17の目標の中から【5.ジェンダー平等を実現しよう】について考えてみたいと思います。
ここ数年で『ジェンダー』という言葉を耳にすることが多くなったように思いますが、そもそもジェンダーとは何なのでしょう?
ジェンダーとは、社会的・文化的な役割としての「男女の性」を意味し、生物学的な性別とは区別されます。
社会的・文化的性差とも言います。
一般的に考えられている、「男らしさ、女らしさ」または「男だからこう、女だからこう」とも言えるでしょう。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗・前会長の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」という女性蔑視発言があり、話題になりましたよね。
「女性だからこうだ」というような思い込みというか。失言と思われても仕方ないですよね・・・。
これをきっかけに日本社会における性差別的な組織文化や、ジェンダー不平等の問題に注目が集まりました。
【5.ジェンダー平等を実現しよう】にはターゲットが複数あり、すべてに触れようと思うと膨大な量になりますので、今回は以下のテーマに絞り、日本にスポットを当ててみます。
≪ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う≫
男女の賃金格差、政治家や管理職が少ないなど、女性が社会で活躍する機会が少ないと指摘されています。
つまり、あらゆる差別をなくし、政治経済など社会における女性の活躍推進することが目的です。
- 男女格差の現状
- 「ジェンダーギャップ指数」というのを聞いたことはありますか?
ジェンダーギャップ指数とは国別に男女格差の大きさを比較しスコア化したもので、
2021年の日本の順位は120位/156ヵ国でした。
主要7か国(G7)の中ではダントツで最下位という結果です。
経済・教育・健康・政治の4分野14項目のデータから作成されますが、
日本は経済と政治分野のスコアが低く、教育と健康分野では高いスコアとなりました。
各分野における日本のスコアです。
(値が1に近くほど男女平等に、値が0に近づくほど男女間格差が大きくなると判断します。)
経済:0.604 教育:0.983 健康:0.973 政治:0.061
この結果を見ると、女性が差別される国なのか?と思ってしまうかもしれませんが、こんなデータもあります。
「世界価値観調査」で、幸福かどうかを聞いた結果の幸福度というもの。
約40年前のデータから見ても、日本の女性の幸福度が男性を上回り続けているんです!
ジェンダーギャップ指数では下位でも、幸せと感じている女性は多いということですね。
今後、日本が取り組む課題としてこれらが挙げられています。
管理職を増やす、研究職を増やす、政治家を増やす・・・等
働きたい女性が増えているのは事実だと思いますが、子供を持つ女性にとっては、フルタイムで残業して、帰宅後、家事育児・・・という毎日は正直、厳しいです。
家に帰ってから家事育児が待っているかと思うと、残業はほとんどできないし早く帰らなければ!となる。
自らの意思で出世を望まなかったり、パート社員を選ぶ女性もいるでしょう。
それを実現しようとするならば、男性も同じように定時であがってもらわなければならないし、家事育児も同等にやってもらわなければならない。
政治家については、なりたいと思っても資金面であったり、仕事のスタイルが不規則で周りのサポートが必要であったりと、気軽に立候補!とはいかないのが現実ではないでしょうか。
「政治は男性の世界」という意識が今でも根強く、家事育児の両立が難しいというのが大きな理由でしょう。
女性の政治家を増やすにはまだまだ課題があり、変えていかなくてはならないことが山ほどありそうですね。
私の周りでは子供が小さいうちは子育てに専念したいという友人が多いです。やはり母性なのでしょうか。
落ち着いたら働きたいと思っても、一度、仕事を辞めてしまうと正社員はなかなか難しいし、子供がいることが不利になって職探しに苦労するという話も聞きます。
働くお母さんを支援し、育児中のお母さんを積極的に雇用するような企業が増えていくといいなと思います。
- ジェンダー平等促進に向けて
- 話は少し逸れますが・・・
「男女平等!」が世間でよく耳にするようになった頃、よくこんな雑談が出ました。
食事代とかさ、男性のほうが女性よりお金を多く払う文化ない?
男女平等っていうなら、ワリカンでよくない!?
確かに。
女性が得しているように見えたり、おごられるのが嫌な女性もいると思います。
本来、ジェンダーの問題は性別を基準に自分の意志とは違うことをさせられるかどうかにあります。
男性だから多く払わなければいけない、ではなく「大切な人への思いやり」という気持ちの表れと考えみると、どうでしょうか。
ここ数十年の間で鉄道の運転士・車掌、宅配業者やバス・タクシードライバーに女性が増えたと思いませんか?
これらは「男の仕事」というイメージが強かったと思いますが、女性が働きやすい環境を整備し、性別に関係なく就ける仕事になってきました。
家事育児に協力する男性は増えましたし、管理職や指導的地位に就く女性も、数十年前に比べたら増えてきていることは事実です。
そういう意味では、男女格差は徐々に縮まってきているのかもしれませんね。
政治経済など社会における女性の活躍推進のためには、
『女性が働きやすい環境を整えていくこと』が、重要ではないかと思います。
働く意欲があるのに「女性だから」「子供が小さいから」など、そのような理由で働けない、能力を発揮できない。
それってものすごくもったいないことですよね。
数年前、採用に携わったことがあるのですが「既婚女性は妊娠の可能性があるから、断れ」と上司に言われて、嫌な気持ちになりましたし、今では考えられない発言ですよね。
そのような社会から変えていかなくては、日本経済の将来は悪化の一途を辿ることになるかもしれませんね。
人口の約半数が女性と女児であり、可能性の半分を担っていますから・・・。
一方で男性が肩身が狭い状況になることもあります。
例えば、「男性なのに、育休取得するの?」「男性なのに、短大なの?」
こんなふうに思ってしまったこと、ないですか!?
様々なシーンで女性が不利益を被っているため、SDGsの目標5は女性に焦点をあてた内容になっていますが、このように男性が差別されるケースもあります。
性別を理由に不平等な扱いや差別が生じないように、また周りの人にジェンダーを押しつけてしまわないように、考えていく姿勢が大切ですね。
SDGsが目指すのは、男性も女性も社会的に平等であることです!
私も無意識のうちにそのような言動をしないよう、心がけなくてはと思っています。
SDGsコラム担当:Okubo
みんなで考えるSDGs 続きの第13回はこちら
みんなで考えるSDGs 前回の第11回はこちら
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