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みんなで考えるSDGs 第10回 脱プラ対策として、改めて紙が注目
みんなで考えるSDGs 第10回 脱プラ対策として、改めて紙が注目
2021/08/03
- 紙づくりと森林の関係
- 近年、脱プラスチックへの動きが加速していますが、見直されている素材のひとつに「紙」があります。
かつては、紙は森林破壊の原因のひとつと言われ、私もそう思っていました。
しかし、実際は直接の原因ではなかったようです。
現在、多くの製紙会社では
『持続可能な森林経営を行っている森林から得られる木材のみを使用している』
このように掲げています。
計画的に植栽・保育・収穫のサイクルを回しており、新たに自然林や原生林から伐採しているわけではないということです。
木を伐採すると二酸化炭素が増えるのでは!?
「木は二酸化炭素を吸収して、酸素を排出する」
小学生の頃、このように習いましたよね。二酸化炭素は炭素+酸素です。
木は成長するために「炭素」を必要とします。そして酸素は余分になるため吐き出しているのです。
結果として、酸素を排出していますが、酸素を生み出しているわけではないのです。
木は成長しきってしまうと、二酸化酸素の吸収量と酸素の排出量がほぼ同量になります。
つまり、成長がほぼ停止している成木より成長を続けている若木の方が二酸化炭素の吸収能力が高いのです。
植林地にはこの若木が常にたくさんあり、植林のリサイクルを行うことで二酸化炭素の削減につながっています。
- プラより紙のほうがエコ?
- 身の回りでいつのまにかプラから紙へ切り替わっていたもの、ありませんか?
久しぶりに靴下を購入したのですが、フックがプラから紙に替わっていました。
フックを分別する手間がなくなり、楽になりました。
カップラーメンの容器も一部ではありますが、紙製のものが増えています。
紙といえば、水や油に弱いというイメージがありますが、従来よりも耐水性・耐油性が高く、プラスチックにも劣らない強度の素材が開発されています。
その他には、お菓子の包装・食品の容器なども紙へ切り替わっていますね。
ダンボール家具なども見かけます。一般的な家具と比べると強度は劣りますが、価格が安い・軽いといったメリットがありますし、不要になった際のリサイクル性も高いです。
紙はプラスチックよりもエコだという声を聞きますが、本当にそうなのでしょうか。
調べてみたところ、紙は製造過程でプラスチックの約4倍のエネルギーを必要とし、排出される二酸化酸素の量もプラスチックより多いと言われています。また紙を白くするのに薬品も使用されています。
リサイクル可能な紙類は限られており、汚れていたり加工がされていたりしては、製紙原料とはなりません。
プラから紙へ切り替わったからと言って、リサイクル不可能であれば、可燃ごみ行きとなり、ごみの削減にはならないのです。
環境問題という点では甲乙つけがたいのかなと思います。
しかし、紙はリサイクル率が高い資源であることには間違いないです。
様々な場所に資源回収ボックスが設置されていますが、みなさん利用していますか?
回収された資源物がどう変わるのか、牛乳パックを例にあげてみます。
1000mlの牛乳パック6枚でトイレットペーパー1個が作れます。ごみとして焼却処理した場合と比べて、CO2が約140gの削減につながります。
▣ 牛乳パック1枚
ごみとして焼却した場合のCO2排出量・・・38.1g
リサイクルした場合のCO2排出量・・・・・14.7g
(38.1-14.7)×6枚=140.1g
『洗って、開いて、乾かす』の手間は発生しますが、捨ててしまえばただのごみ、リサイクルすることで、トイレットペーパーやティッシュなどの新しい資源に生まれ変わります。
今まではつい面倒で可燃ごみで捨ててしまっていましたが、このひと手間が新しい資源の一部となればと考えを改めるようになりました。
私は手先が器用ではないのでハサミ派ですが、コツをつかめば手でも簡単に開けるようですよ。
- 古紙回収の現状と仕組み
- 日本の古紙回収率・利用率のグラフを載せています。
2020年は新型コロナウイルスの影響で例年より数値が高かったようですが、ここ数年では古紙回収率は80%前後、古紙利用率は64%前後を維持しています。
世界平均は59.3%(2019年データ)ですので、日本は大きく上回っています。
日本人はリサイクルへの意識が高いのがわかりますね。
≪出典≫ ㈶古紙再生促進センター
「古紙配合率が高いほうがいい、100%こそがエコだ!」と思い込んでいましたが、それは違います。
古紙100%にしようとすると、キレイなパルプに戻すために、コストがかかりますし、環境負荷も高いです。リサイクルを繰り返していると強度も落ちてきますので、永遠に使い回すことはできません。
そして出された結論・・・
『バランスのとれた再生紙を作るためには、古紙パルプにバージンパルプを混ぜるということ』
古紙を配合することにより、新たに投入される木材(パルプ材)を抑制、廃棄物として処理される紙の量も削減されます。このようにして、古紙回収の仕組みが確立されているのです。
紙は私たちのもとで使用され、その後は古紙として回収、再び紙に戻ります。紙は持続可能であると同時に循環型素材だと言えるのではないでしょうか。
プラと紙のどちらがエコかの比較は難しいですが、SDGsの観点から、プラから紙へ切り替えていく企業が増えているようです。
木材以外を原料とした環境に配慮した紙も開発されているようですし、個人的には今後にも期待しています。
私たちはできる限りの分別をし、資源のリサイクルに貢献していきましょう。そして、積極的にリサイクル製品を使いましょう!と言いたいところですが、すべてをリサイクル製品で賄うことは難しいですよね。バージンパルプ100%の上質紙を使うもよし、お肌にやさしいトイレットペーパーを使うもよし。リサイクル製品を意識しつつ、用途や必要に応じて使用していくことが望ましいのかなと私は思います。
SDGsコラム担当:Okubo
監修:Kazuhiro Sumiya
みんなで考えるSDGs 続きの第11回はこちら
みんなで考えるSDGs 前回の第9回はこちら
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