みんなで考えるSDGs 第7回 日常にあるSDGs③

みんなで考えるSDGs 第7回 日常にあるSDGs③

2021/04/26

みんなで考えるSDGs 第7回 日常にあるSDGs③

電気自動車について
今回も身近にあるSDGsということで、最近私たちが生活する街中でよく見かけるようになった電気自動車について触れてみたいと思います。
ショッピングモールや高速道路のサービスエリアなどでEVと表示のあるスタンド、スポットを目にすることが増えたという方も多いのではないでしょうか。
また、変わったデザインのバスだったり、EVの表示がある郵便局の軽自動車を目にする事も増えた気がします。
車に関するニュースでは、自動運転の開発や試運転についてよく語られますが、電気自動車もじわじわと日常に浸透してきているのです。

少し視点を変え、世界での電気自動車はどのような状況なのか触れてみます。
注目すべきはノルウェーです。
ノルウェー政府は、2025年までに国内で販売する全ての自動車をゼロエミッション化するとしています。
既に同国の乗用車の1/3が電気自動車となっており、今後その比率は増加するものとみられます。
他にもアイスランドやフィンランド、スウェーデンなど北欧諸国においては、乗用車販売におけるEV・PHEVの割合が高く、自動車のプラグイン化において世界を引っ張っている状況です。

電気自動車の普及はSDGsとどのような関わりがあるのかというと、目標の7.「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を初め、11.「住み続けられるまちづくり」、12.「つくる責任 つかう責任」、13.「気候変動に具体的な対策を」といった項目にも関わってきます。
地球温暖化とCO2排出量は、切っても切れない関係にあります。CO2排出量を減らすことは、自動車が存在するために避けては通れません。
そのためには、クリーンなエネルギーを使った生産と走行を実現することが必要で12.「つくる責任 つかう責任」を考慮すると現時点では再生可能エネルギーによる発電と電気自動車の開発と供給、そして普及率をあげることが理想であると考えます。

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電気自動車の種類
前項で世界では電気自動車が浸透し始め、SDGsとどのように関わりがあるのかについて触れましたが、もう少し電気自動車について深堀りしていきます。

電気自動車には大きく分けて次の4タイプがあります。
・HV ハイブリット車
・PHEVまたはPHV プラグイン・ハイブリット車
・EV 電気自動車
・FCV 燃料電池車

いずれも地球温暖化対策として、従来のガソリンエンジン車では削減が難しいCO2などの排出ガスを抑制する、もしくは完全に0にする車として普及が期待されています。

CAFE方式という規制を聞いたことがある方も多いかもしれません。
CAFEとは、Corporate average fuel economy=「企業別平均燃費方式」のことでメーカーは個別の車種ではなく出荷した台数の平均で基準の燃費を達成しなければなりません。
達成できない場合は、100万円以下の罰金と社名の公表があります。
メーカとしては基準燃費を達成出来なかったというレッテルを貼られる事は大きな痛手となるでしょう。

また、余談ですが電気自動車の他にFCV=燃料電池車というエコカーも存在します。
電気自動車との違いは、車の中で発電してしまう点です。FCVの燃料は液体水素で、水素と酸素の化学反応で電気を作る「燃料電池」を搭載し。モーターで走るという仕組みを採用しています。
EV同様にガソリンを一切使わない為、CO2排出量はゼロ。最強のエコカーです。
しかし、欠点があります。
燃料である水素を供給する水素ステーションの普及率が低すぎることです。
EV向けの充電ステーションは、コラム冒頭で触れた通り普及率はあがっていますが水素ステーションはまだ整備されていないのが現状です。

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脱炭素社会に向けて
2020年10月26日 第206回臨時国会の所信表明演説で、菅内閣総理大臣が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。
また、それに付随して東京都の小池都知事が2020年12月8日の都議会で都内で販売されるガソリン車の新車について、乗用車は2030年までに、二輪車は2035年までにゼロにする「2030年ガソリン車禁止」にする方針を明らかにしました。

既に諸外国では電気自動車の競争が激しくなっている中で、日本でも今後普及が加速することが予測されますが、日本での電気自動車普及にはまだまだ課題があるのが現状です。
ここ数年で公共の充電スポットは増え続けていますが、アパートやマンションに住んでいる人や立体駐車場を利用していて充電スポットの設置スペースが確保出来ないという人は、人口が密集する都内では多いでしょう。
また、電気自動車の販売数が急増すると公共の充電スポットの充電待ちが頻繁に発生することも予想できます。
冒頭で紹介したノルウェーは、総人口537万人と日本の4%にしか過ぎず、総面積は日本の85%と広いです。
つまり、人口密度が低く一軒家に充電スポットが設置されており、電気自動車が普及しやすい環境が整っているのです。
人口密度と電気自動車の普及は密接に関係しているといえそうです。

ガソリン車に比べ、電気自動車は本当に静かです。
静かで快適なドライブをする為にも、是非乗ってみたいところです。
まだまだ日本では設備が整っていない部分もありますが、脱炭素社会の実現の為にも電気自動車が普及して、より地球に優しい暮らしを送ることを目指して皆で協力していきたいですね。
今後も、日常で気付いたSDGsもコラムにしてお届けしていきますので乞うご期待下さい。

SDGsコラム担当:Daisuke
監修:Kazuhiro Sumiya


みんなで考えるSDGs 続きの第8回はこちら


みんなで考えるSDGs 前回の第6回はこちら


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