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入稿トラブル事例 その④黒(K)1色のデータの作り方
入稿トラブル事例 その④黒(K)1色のデータの作り方
2020/12/05
- リッチブラック
- 黒い部分をK100%以外の色を混ぜて(掛け合わせて)表現する手法をリッチブラックと呼びます。
黒に他の色を混色して濃く深みのある黒が表現可能になります。しかしデータの作り方や対象を間違えてトラブルになってしまったり、仕上りが綺麗にならない場合もあります。
今回はそんな黒のデータの作り方についてのお話になります。
- 見当ずれ・見当合わせ
- まず最初に印刷用語【見当ずれ】について説明しますね。
見当ズレとは、印刷の際に版や各インクの重ね合わせた位置表裏の位置が ずれる ことを指します。版ずれ(はんずれ)と呼ぶこともあります。
版や各色インクの位置を合わせるために印刷機を操作して印刷位置を合わせることを、見当合わせ(けんとうあわせ)と言います。
版や各インクの見当合わせがうまく行われないと、意図したデザインや表現とは異なる仕上がりになってしまいます。
細い線や小さな文字にリッチブラックを指定してデータを作成してしまうと印刷時の見当ずれが発生した場合、小さな文字が読みにくくなる場合があります。(写真②)こうなってしまうと大失敗です。これは白く抜いて表現する場合も同じです。(写真③)
見当ずれを起こさないよう細心の注意を払い作業はしていますが、カードの仕様によっては避けられない場合がありますので予めデータ作成時、もしくはデータ入稿時に対処しておく必要があります。
- 視覚効果
- 細く小さい文字や線にリッチブラック(4色のかけ合わせ)で作成した場合、見当ずれによってカード全体が異なる色調に見えてしまうことがあります。これは人間の視覚効果も作用しています。
(写真③下は、C版(シアン)、M版(マゼンタ)、Y版(イエロー)のみが見当ズレを起こし、文字が全体的に青っぽく、赤っぽく、黄色っぽく見えてしまった例をそれぞれイメージした図です。)
文字データは全て同一の色濃度で作成されていますが、見当ズレの発生によって色味が変わって見えてしまうことがあります。僅か0.1㎜ずれただけでもこのようなトラブルが発生する事もあります。
細かい文字などにリッチブラック(4色のかけ合わせ)を使用される際はくれぐれもご注意ください。
◆簡単にまとめますと
・文字や図形が細かく小さい場合は黒1色(K100%)
・絵柄が大きく単純な図形で少しでも真っ黒に近づけたい場合はリッチブラック
このように使い分けを意識すると、「カードの仕上がりも綺麗になる」と覚えていただけると良いと思います。
次回はオーバープリント、CMYKとRGBの違いについて紹介したいと思います!!
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